「3人よれば文殊の知恵」という諺があるように,人々が集まって協同作業を行うことで,従来は困難だった課題を克服したり,新たな知識を創造したりすることまでも期待できます.しかしながら,このような活動で本当にいいパフォーマンスを得るには,良いインタラクションを行う必要があります.それでは,どのようなインタラクションが良いのでしょうか.認知科学の領域では,人間の協同問題解決(Collaboration)に関する膨大な研究が行われてきており,現場観察や心理実験,計算機シミュレーションなど様々な手法で研究が蓄積されています.本研究では,人間同士の協同問題解決における効果的なインタラクションについて,実験室実験によって検討しております.さらに,これらの知見に基づいて人間の発話行動に基づいて協同問題解決を行うコンピュータのプログラムの開発も行っております.
ペアによる協同問題解決/Collaborating in Pairs
問題解決におけるバイアス
林 勇吾・三輪 和久・森田 純哉(2007). 異なる視点に基づく協同問題解決に関する実験的検討認知科学, 14(4),604-619
問題解決における先行知識
小集団による協同問題解決/Collaborating in Small Groups(集団・組織も参照)
信頼
林勇吾(2017), 信頼構築プロセスが協同問題解決の視点取得に及ぼす影響:エージェントを利用した実験的検討 人工知能学会論文誌, 32(4), E-G91_1-9.
感情
少数派効果/Minority Effect
林 勇吾 (2014). エージェントベースの協同に関する実験的検討 認知科学, 21(3), 382-395.
小集団実験のための実験システムの開発/Developing experimental system for an experiment in small groups
林 勇吾・小川 均 (2012). 多人数に基づく協同問題解決に関する実験的研究のためのプラットフォーム開発 知能と情報,24(4),848-857.